根管治療

なぜ根管治療が必要になるのか

むし歯は、初期であれば詰め物や被せ物で治療することができます。しかし、放置してしまうと徐々に深くなり、ついには歯の神経まで達してしまいます。神経まで達したむし歯は、激しい痛みを引き起こし、夜も眠れないほどの症状となることもあります。

また、むし歯だけでなく、歯がぶつけられるなどの事故や、歯ぎしりによる過度な負担によっても、歯の神経は傷つくことがあります。神経が傷つくと、冷たいものがしみる、熱いものでズキズキする、自然に痛みが起こるなどの症状が現れます。
このような状態を放置すると、神経が壊死（えし）してしまい、歯の根の先に膿がたまることがあります。膿が溜まると顎の骨まで感染が広がり、腫れや痛みを引き起こします。さらに重症化すると、全身に影響が及ぶ可能性もあります。

根管治療の流れ

治療期間について

根管治療は、虫歯の程度や症状によって治療期間が変わってきます。通常は3〜5回の通院で完了しますが、症状が重い場合は、それ以上の通院回数が必要となることもあります。1回の治療時間は約30分。週1回のペースで通院していただき、全体で1〜1.5ヶ月ほどの期間が必要です。
なぜこのように時間がかかるのでしょうか。それは、根の中の感染を完全に除去するためには、慎重な治療が必要だからです。途中で治療を中断してしまうと、せっかく減らした細菌が再び増えてしまい、治療が振り出しに戻ってしまうことがあります。

治療中の注意点

治療の途中では、仮の詰め物をして様子を見ます。この仮の詰め物は固いものを噛んだり強い力が加わったりすると外れやすいため、治療中は以下の点に気をつける必要があります。
強く噛まないようにしましょう。特に硬いものは避け、反対側の歯で噛むようにします。また、歯ブラシをする時も強い力を加えないよう注意が必要です。仮の詰め物が取れてしまった場合は、できるだけ早く受診してください。

治療後の経過

治療直後は、多少の違和感を感じることがあります。これは、治療による刺激で起こる一時的な反応です。通常2〜3日程度で落ち着いてきます。
しかし、強い痛みが続いたり、腫れが引かない場合は、すぐにご連絡ください。また、かみ合わせが気になる場合も調整が必要ですので、遠慮なくお申し出ください。

予防が大切です

根管治療は、歯を残すための大切な治療です。しかし、本来の歯の神経に勝るものはありません。むし歯を予防し、神経を守ることが何より重要です。
定期的な検診で早期発見・早期治療を心がけましょう。少しでも気になる症状がありましたら、お早めにご相談ください。

当院の治療設備

確実な治療のため、当院では最新の設備を整えています。歯科用CTを導入することで、従来のレントゲンでは分かりにくかった立体的な情報まで把握できるようになりました。これにより、より正確な診断と治療が可能となります。
また、治療器具は専用の滅菌器で徹底的に消毒を行い、清潔な状態で治療を行います。感染予防は根管治療において特に重要です。